前歯の形がおかしいから治療したいと来院される患者さんがおられます。例えば被せ物の形が気に入らない、歯ぎしりで歯がすり減ってしまった、生まれつき歯の形が不自然であったり、大きさが左右で異なるといった場合です。どんな治療方法があるのかご紹介しようと思います。

治療方法は大きく分けて歯を削る必要がある方法と、歯を削らずに治す方法かあります。前者には被せ物やラミネ－トべニアとよばれるものがあります。後者にはCR充填やダイレクトボンディング法といったものがあります。

被せ物の形が良くない場合は新しく作ればよいのですが、自分の歯の形が良くない場合は十分に考慮する必要があります。できれば歯を削りたくないわけです。歯の形を大きく変える必要がある場合は歯を全周削って被せ物をする、あるいは歯の表側（見える側）だけを削ってラミネ－トベニアと呼ばれるシェルを歯に貼り付ける方法があります。これらの方法は確実に目的とする形をつくることが出来ます。ただし、健康的な歯を削るという大きなデメリットがあります。

歯を削らずに治せないかと考えられたのがダイレクトボンディング法です。これは歯の上に粘土状の合成樹脂を何層にも分けて盛り上げて歯の形を作りだす方法です。すべての歯の形に適応できるわけではありませんが、歯を削らずに治療できる優れた方法です。

次にダイレクトボンディング法で治療した症例をご覧いただきます。

矮小歯を自然な形に治療した症例

左右真ん中から２本目の歯の形を治したいとご希望された患者さんです。真ん中から２本目の歯が矮小歯と呼ばれる米粒のような形の小さな歯です。右下写真が治療後です。通常の歯の形になりました。（治療費は左右で４００００円でした）

治療前　真ん中から2つ目の歯が小さな歯です。

治療後　自然な形になりました。

犬歯を側切歯の形に治療した症例

この方は真ん中から２番目の歯が生まれつき欠損しており中切歯の隣が犬歯になっています。犬歯は尖った形をしており不自然なのでダイレクトボンディング法で本来この位置にある側切歯の形にしました。この症例では多少歯を削ることも行いました。（治療費は左右で４００００円でした）

治療前　真ん中から2つ目の歯が尖っています。

治療後　自然な形になりました。