乳歯が抜けないのに大人の歯が生えてきた時はどうしたらいい?
「乳歯が抜けないのに大人の歯が生えてきた、どうしよう?
このまま放っておいても大丈夫だろうか?
歯並びが悪くなってしまわないだろうか?」
と、お子さんのお口の中を見て不安に感じられる親御さんも多いのではないでしょうか?
今回は乳歯が抜けないのに大人の歯が生えてきた場合どうすれば良いか書いていきたいと思います。
まず言えることは、
慌てたり、心配しなくてもいいということです。
歯の生え替わりは誰にでも起きることで、それが少しうまくいかないというのはありふれたことです。あなたのお子さんが特別ではないのです。
乳歯から永久歯の生え替わり時期
乳歯から永久歯への生え替わりは通常6歳ごろ、下の真ん中の前歯から始まります。
早いお子さんは5歳ぐらいから始まったり、逆に7歳になってもまだという場合もあります。
生え替わりが遅いと親御さんとしては心配されるでしょうが1年程度遅れなら特に問題はないと思います。
生え替わりは、始め少し動いていた乳歯がだんだんとグラグラしてきます。
そうこうしていると舌の先で歯を押すと倒れるような感じになってきます。
ここまでくると食事の際に痛みがあったり、歯磨きがしにくくなってくることがあります。
早く抜けてほしいのですが、なかなか抜けてくれないこともあります。
乳歯がグラグラなのであれば、清潔な指で積極的に動かしてもかまいません。
永久歯が生えてきたけど乳歯が抜けない、どうすればいい?
慌てる必要はありませんが、基本的には乳歯を抜歯する必要があります。
あまり長く放置すると隣合う歯や生えてきた永久歯にむし歯ができることがあります。
あるいは歯並びに影響が出る場合もあります。
先ほども書きましたように、乳歯は抜け落ちる歯なので、清潔な指で積極的に動かして抜いてしまってかまいません。
指で触って揺らしてみるけど、なかなかとれない。こんな時はどうすればいいのでしょうか?
1. まず、どちら側によく揺れるのか確かめます。
指を使って乳歯の先端を押してみて、内側(舌側)に倒れやすいのか、外側(唇側)に倒れやすいのか確かめます。
2. 次に倒れにくい側に指で押します。
よくあるのは、舌の先で押すと外側(唇側)には完全に倒れるのに内側(舌側)にはほとんど倒れない状態です。
この場合は指で内側(舌側)に向かって歯を押します。
チョット痛みが出る程度押すことを続けてください。
倒れやすい側にいくら動かしてもなかなか抜けません。
倒れにくい側に押すのがコツです。
内側、外側両方に簡単に倒れるけど、それでも取れない場合はどうすればいいでしょうか?
そんな時はねじってみてください。
右にねじったり、左にねじったり。そうすると取れると思います。
・抜けた場合は多少出血します。その場合はガーゼや脱脂綿、なければティッシュペーパーを指先程度の大きさに固く丸めて抜けた場所で5分程度噛んでおくと血が止まります。
「大人の歯が困っているから、子供の歯をとろうね」とお子さんを励まして1か月間頑張ってみてください。
1か月頑張っても抜けない場合は歯科医院を受診していただいたほうが良いと思います。
乳歯が抜けないと来院された場合、当院ではどうしているか
歯の状態を見て、まだ様子を見ていてもいい場合は抜歯を行いません。
抜いたほうが良くても、お子さんが怖がっておられる場合は
「指で動かして、もう1か月様子を見ましょう。抜けないときは先生がとるよ。」とお子さんと約束する場合もあります。
特に最初に抜け替わる、下の前歯の場合は多少長く様子を見ても問題がないことが多いので、歯が自然に抜け替わるということを体験するのが大切だと思うのでなるべく抜歯はしないようにしています。
逆に、なるべくすぐに抜歯した方がいいのは奥歯の場合で、
永久歯が生えてきているのに被さったように乳歯が残っている場合です。
乳歯が邪魔になって永久歯の歯磨きが出来ず、生えてきた永久歯やその前後の歯が虫歯になりやすいのです。
最後に、乳歯がグラグラしていた期間が長かった場合、それが自然に抜け落ちたとしても、生えてきた永久歯やその周辺の歯に虫歯が出来ていないか、チェックのために御来院していただいたほうが良いと思います。
大きな穴が開いてしまっていることはなくても、初期むし歯といってエナメル質が白濁した状態になっていることはよくあります。
そういった場合は仕上げ磨きのコツを習っていただいたり、定期的にフッ素を塗ったり、シーラントをしたりして歯に穴があくようなむし歯に進行しないように予防していく必要があります。
まとめ
歯の生え替わりはお子さんの成長の一つのステップです。
上手くいくこともあれば、なかなか抜けないとか、先に永久歯が生えてきたといったことも起こります。
特に一人目のお子さんで初めての歯の生え替わりは親御さんにとってすごく心配なことだと思いますが、ここまで書いてきたことが参考になれば幸いです。
分からないこと不安なことがあればお気軽にご来院ください。